オーバーホールの必要性

ムーブメント Cal.3186 オーバーホール


今回は、旧型のエクスプローラーIIやGMTマスターIIに搭載されているムーブメント“Cal.3186”についてご紹介します。

・リファレンス:Cal.3186
・年式:-
・症状:オーバーホール
Ref.16570やRef.16710のムーブメントは、登場時Cal.3185が搭載されていましたが、2007年から一部モデルに、Cal.3186が搭載されました。
24時間針の単独早送りが可能という点ではどちらも同じですが、Cal.3185の針の微妙なズレやブレを最小に改善し、ブルーパラクロム・ヒゲゼンマイを採用したことで、優れた耐磁性と耐衝撃性を備えたのがCal.3186です。
僅かなスペースに4本の針を取りつける必要があるムーブメントでは、針のブレはダイヤルとの接触の危険性があるために大きな問題となります。
実際にメンテナンスを行うとその違いは明らかで、Cal.3186の短針早送りはブレが少なく、特に針自体が塗装されていて厚みのあるエクスプローラーIIの白ダイヤルでは、その恩恵を強く感じられます。
しかし、良いことばかりではなく、問題点もいくつかあります。 アワークリックスプリングの不良が多く、使い方に問題がなくとも破損してしまう事例がありました。この部分はすぐに改良されました。



改良されたアワークリックスプリングの写真です。

日ノ裏車のポストも摩耗しやすく、メンテナンスが不足しているものは摩耗していることが多いです。

摩耗によって動きが悪くなると、力が他の部分に掛かってしまい、さらに摩耗や破損が生じてしまう原因になってしまいます。

取り外すのも一苦労するほど、摩耗していました。

サビと摩耗によって、ガタガタになっていました。

他にも、4番車の摩耗が他のキャリバーよりも早く進む傾向があります。Cal.3186に限ったことではありませんが、メンテナンスを怠ってしまうと、高額な修理代が発生する原因となりますので、メンテナンスはしっかりと行うよう注意しましょう。



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