オーバーホールの必要性

巻上不良


今回は、シードゥエラーのメンテナンスをご紹介します。

・リファレンス:Ref. 16600
・年式:F品番
・症状:巻上不良
ゼンマイ操作による巻上が出来なくなってしまったシードゥエラー。
まず時計の内部を確認し、原因を探します。



10年以上メンテナンスが行われていないシードゥエラー。
逆回転防止ベゼルとケースの間には、蓄積した汚れが見える状態です。
実際に逆回転防止ベゼルを回転させると動きは重く、隙間から汚れが出てきました。

裏蓋を開けますと、ムーブメント全体に鉄粉が広がっていました。

ムーブメントの自動巻き機構一式を外した写真です。
広い範囲に錆びた鉄粉が確認できます。

こちらは、中央部を拡大した写真です。
本来、先端が見えているはずのリバーシングホイールのホゾが見当たりません。

オイルの劣化などの要因により、摩耗が極度に進んでしまい、ホゾがちぎれてしまったと考えられます。

こちらは、巻上車の写真です。
ホゾを失ったリバーシングホイルは安定した動きが出来ず、それを無理やり回そうとした結果、巻上車の歯が欠けてしまっています。

部品が深く削れている様子がわかります。
ここまでの状態に至るまでにも、巻上時に普段とは違う感触や異音が発生していたと考えられます。

10年間と長い期間、メンテナンスを行わずに使い続けると、オイルの劣化などの要因により、部品を極度に消耗させてしまいます。また、動作の悪い部品を無理に動かそうと、連鎖的に正常な部品までも摩耗や破損が生じてしまうこともあります。そのため、メンテナンスについては症状の有無にかかわらず、定期的に実施していただくことをオススメします。



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