オーバーホールの必要性

サブマリーナー Ref.16613 オーバーホール


今回は、サブマリーナーのオーバーホールについてご紹介します。

・リファレンス:Ref.16613
・年式:2002年
・症状:オーバーホール
今回オーバーホールを実施するサブマリーナーは、シリアル番号がY品番の時計になります。Y品番といえば、2002年から2003年に製造された個体になりますが、過去1度もオーバーホールなどのメンテナンスを受けていなかったようです。
年代物のヴィンテージロレックスでは、メンテナンス歴が不明のものは珍しくありません。しかし、はっきりと20年間ノーメンテナンスで使用したロレックスがどうなっているか確認できる機会は滅多にありませんので、内部の状況が非常に興味深いです。



ベゼルディスクの金色部分が落ちていますが、大きなキズは見当たりません。しかし、裏蓋を開ける前から剣回し時の違和感と、ローターが回転時にカチカチと接触する音が確認できましたので、内部の状態は相当に酷いことが予想されます。

ローター真の摩耗により、ローターが各部と接触していました。カチカチと音がしていたのはこちらが原因です。

コハゼを外すと、削れた痕跡がありました。

オイルが完全に切れており、サビや摩耗が確認できます。

こちらも同様に、オイル切れの症状が確認できます。

サビと摩耗の発生が確認できます。

香箱真にもサビや摩耗が確認出来ました。不動の原因はゼンマイ切れによるものでした。

剣回し時の違和感の原因は、コテツ車ポストの摩耗によるものでした。こちらが摩耗してしまうと修理がとても大変になります。メンテナンス実施者からみるとCal.3135の泣き所と言えるかもしれません。

20年間ノーメンテナンスと聞いて、さぞ内部が酷いことになっているかと思いましたが、予想を超えるほどではありませんでした。しかし、2・3番車、ゼンマイ、ローター真などの交換とコテツ車のポスト補修。不良箇所は多数に及びましたので、修理費用も高額となっていました。
ロレックス購入時には、定期的にメンテナンスが受けやすいよう、長期保証やオーバーホール基本料が無料になるプランもありますので、ご検討されることをお勧めします。また、定期的なメンテナンスが時計の寿命を延ばし、出費を抑えることにも繋がります。メンテナンスについて知りたい方は、クォーク店舗までお気軽にご相談ください。



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